認知症になりやすい人っていうのはいるんですよ。・・・堅物・・・まじめすぎ る・・・。認知症は

そもそも、心や体が環境の変化に対応できなくなってできなくなって起きる。ぶっちゃけて言うと、マイナスの現実から逃れたい、という目的があるわけです。まじめな人は、あれをしなければいけない、これをしなければいけない、失敗しちゃいけない、なんて、いろいろ考えて、常にプレッシャーを感じてる。そういうことこら解放してくれるのが、認知症です。だから、認知症は人生のプレゼントだ、なんて言う人もいます。

北國浩二著『嘘』(PHP 研究所、2011.7.22第1版第1刷)

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認知症の患者はね、二つのことを同時にできないんです。

きっと、湯を沸かしているときに、他のことに気持ちがいっちゃったんだなあ。そうするともう、薬缶を火にかけていることが頭から飛んじゃう。これからは、ガスの元栓を締めて出かけるようにしてください。

注意しても平然としてやってるやつだけど、これも基本的には同じことなんです。二つのことを同時にできない。つまり、相手の言い分に配慮しながら、自分の意見を言う。これは二つの異なる行為だから、できないんです。反省していないように見えるのは、病気のせいです。認知症の患者さんは、他人の話を聞かずに勝手なことばかり言う、わがままな人間だと思われてしまうが、そうじゃない。これはね、れっきとした病気の症状なんです

亀田医師が千紗子さんに説明している。

北國浩二著『嘘』(PHP 研究所、2011.7.22第1版第1刷)

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(認知症の患者さんたちは)自己を見失い、、これまでの人生も失なって、悩み 苦しんでいる。

ときにひどいことを言ったり、暴力をふるったりすることもあるが、それはね、彼らがそれだけ苦しんでいる証なんですよ。(P138)

唯一の寄る辺となるはずのじぶんじしんからも、取り残され、切り離されていく。確かなものが何ひとつない空間に、たったひとりで漂っているようなものです。あまりにも深い孤独と混沌ですよ。その不安と苛立ちのなかで、患者さんたちは日々、恐怖に直面しているんです。(P137)

北國浩二著『嘘』より。
認知症患者の孝蔵の同級生であり、医者である亀田が、孝蔵の娘千紗子に話した言葉。

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