慈しみの仏教で人を説得するアウンサンスーチーさん

アウンサンスーチー氏 龍谷大学での講演要旨
27年ぶりに来日したミャンマーの最大野党「国民民主連盟(NLD)」のアウンサンスーチー議長(67)が京都の龍谷大学で、「社会変革のプロセスにおける仏教の役割」と題して講演を行ったことが、毎日新聞の2014.4.27の企画特集として1ページを割いて記事となっていた。講演の要旨から仏教に関わるところを拾ってみる。

本当の意味で仏教の平和と愛を国全体に広めたいと思うならば、お互いを大切にするところから始めなければならない。
仏教は私たち一人一人に価値を置いている。個人の人権に価値を持っているのが仏教だ。
慈しみや優しさは要求したり、お金で買ったり、あるいは強制させられたりすることではない。それは自発的に与えられるものでなければならない。与えられたいのならば、与えることが必要だ。
人間は最善のことができるのと同時に、最悪のこともできる。選択は我々の側にある。
社会変革のために仏教が果たす役割は何かと問われたら、主たる役割は人を説得することではないかと思う。それは思いやりによって実現できる。他の宗教を軽視したり、視野を狭めたりすることは仏教の教えに反することだ。視野を広げ、寛大になって目標を目指すことが重要だ。
将来について楽観的かと問われれば、私は楽観的だと申し上げたい。なぜなら、一人一人が資質を持ち、社会を変えていく能力を持っているからだ。必要なのは意志と決断だ。仏教の価値を心に留めながら、私の国で政治的、社会的、経済的な変化を進めたいと思う。

以上、新聞に載っている要旨の四分の一近くを書いたかもしれない。
仏教の役割は人を説得することだ、という言葉が特に印象に残る。悟りを開いたブッダが、人々の苦しみを逃れる方法、仏教を説いて行くのに、人それぞれにふさわしい説明をしていったということからすれば、なるほどと思う。
仏教は私たち一人一人に価値を置いている、という所では、釈迦がお母さんの脇から生まれた時に、天と地をさして「天上天下唯我独尊」といったという故事を想起した。この世の中で、自分という存在は尊い存在だという意味だと理解している。

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