地蔵は人々の身近にいて、気軽に相談に乗ってくれる存在だ。・・・生きること はそれだけで価値がある。北國浩二著「嘘」

北國浩二著『嘘』(PHP 研究所、2011.7.22第1版第1刷、P132〜)から

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「なんで地蔵は親しみやすくないといけないんだ?」
「釈迦が亡くなってから弥勒菩薩が登場するまでの五十六億七千万年のあいだ、娑婆世界に仏はいない。無仏の時代をしっかり守るように言いつかったのが地蔵菩薩だ」
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ひとり娘の存在は記憶の外にうっちゃっているくせに、そんなどうでもいい数字を正確に覚えている父を、千紗子は苦々しい思いで見つめた。
「地蔵は人々の身近にいて、気軽に相談に乗ってくれる存在だ。とっつきにくかったらまずかろう」

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認知症の孝蔵は仏像を彫り続けている。友人でもある亀田医師に説明している。

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